
サッカーにおける技術(テクニック)は、色々なものに例えられます。
”武器” ”道具” ”鍵” などなど。
戦うための武器であり、
何かを成し遂げるための道具であり、
ドアの向こうに行くための鍵であり。
どれも、言い得て妙。
そして、その技術を習得する過程も、色々な事に例えられています。
1つは、お箸。
日本人は、なぜ小さい子でも箸が使えるのか。
それは、毎日使うから。
足が手みたいに動くように、
自由自在に操れるように、
毎日毎日、ボールを触ろう。
という例え話。
すごくいい話です。
もう1つは、自転車。
小さい頃に覚えた自転車の乗り方は、
大人になっても忘れない。
大人になってから乗ろうとすると結構大変。
いっぱい転んで、失敗して、
身体に染み込ませて、自分のものにしよう。
というもの。
これまたいい話。
毎日触って、自分のものにする。
すごく大事な事です。
なのですが。
そもそも、お箸は物を食べる道具です。
どんだけお箸が使えても、目の前のメシを食わなきゃ意味が無い。
自転車は乗り物です。
出かける用が無きゃ乗る機会が無い。
だから私はこう解釈しています。
箸が使えるようになったら、色んな物を食べよう。
まずはおいしい物もまずい物も。
おいしい物は好きなだけ食べればいい。
まずかったら嫌いになってもいい。
必要なのは、「うまいものを嗅ぎ分ける鼻」だと思う。
自転車に乗れるなら、色んな所へ行こう。
海へ山へ大都会へ、色んな場所を見に行こう。
転んでも起き上がって、旅を続ける。
そして、一歩を踏み出す「好奇心と勇気」を持とう。
素晴らしい言葉を残した指導者たちはきっと、
箸と自転車で選手に何を伝えるんだ?
と問いかけてるんじゃないかなー、と思うんです。
ウチでは、箸は使えて当たり前。
自転車も乗れて当たり前。
そこがスタート。
でも、ココ!っていう時は
箸なんかブン投げて、手づかみで食って欲しい。
チャリなんか乗り捨てて駆け出して欲しい。
そんな選手が好きです。